ゼロ年代の50冊

 四月に朝日新聞が「ゼロ年代の50冊」なんて企画をやってたんだ。「2000〜09年の10年間に出た本の中からベスト5を挙げていただきました。317人にお願いし、151人から回答が寄せられました」(四月四日)。
 選ばれたベスト10が順に、ダイアモンド『銃・病原菌・鉄』、村上春樹海辺のカフカ』、町田康『告白』、山本義隆『磁力と重力の発見』、萩原延壽『遠い崖』、小川洋子博士の愛した数式』、中村真一郎木村蒹葭堂のサロン』、小沢信男『東京骨灰紀行』、パットナム『孤独なボウリング』、柄谷行人トランスクリティーク』。
 六つを私は持っていた。残り四つは題名さえ知らない。このブログを始めるまで十年以上、私はあまり本を読んでいないのである。それでも自分の五冊を選んでみたくなった。順位まではつけられない。
   松本圭二詩篇アマータイム』(〇〇)
   若島正『盤上のファンタジア』(〇一)
   柄谷行人トランスクリティーク』(〇一、定本〇四)
   谷川俊太郎、大田大八『詩人の墓』(〇六)
   みうらじゅんアウトドア般若心経』(〇七)
 ただし、『詩篇アマータイム』と『盤上のファンタジア』は充分に読み込んだわけではない。部分的にわかるだけで、あとは「すごいなあ」と感嘆しただけである。それに、『アウトドア般若心経』は感嘆しか反応しようが無い本だから、真面目に読んだのはたった二冊ということになる。なお、「詩人の墓」は昨年の『トロムソコラージュ』にも活字だけが収録されたが、それは愕然とするほどつまらなかった。