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二十年前ほどのニーチェの解説書というと、多くはニーチェの生涯に紙幅を費やすばかりで、思想については通り一遍のことしか書いてなかった。結局、一番便利なのはドゥルーズ『ニーチェと哲学』(邦訳1974年)だ、と言うしか無かったのが私の実感である。状…
7月12日の毎日放送「情熱大陸」で「ヘヴン」の難産ぶりが紹介されたこともあって、「群像」八月号はすぐ売り切れてしまった。新聞の時評も好意的だったようである。当然「群像」は九月号の「創作合評」でたっぷり扱い、十月号には作者のインタヴューも載っ…
西部邁と柄谷行人の対談を読んだ。二人の経歴をくだくだ言う必要は無かろう。柄谷はこれまでの持説を話題に応じて引き出している。それらのほぼすべてに西部が同意して、「柄谷さんとぼくはたぶん感覚が似ている」と述べていたのが印象的だった。「表現は違…