大江健三郎

大江健三郎『水死』読了

「死んだ犬」を投げつける演劇の上演をめぐって対立する賛成派と反対派を見ている作家の小説、ということだろうか。その場合、作家と息子との不和がどう関わるのかよくわからない。大江健三郎個人の事情なんだろう。「読売新聞」の時評(一二月二九日)の「…

大江健三郎『水死』第一部、第二部

まだ読み終わらないの?と嫁に言われてしまった。大江健三郎『水死』である。十二月に出てすぐ買ったんだけどな。やっと第二部を終わったところである。大江の小説は私にはとても読みづらいのだ。たとえば、『万延元年のフットボール』で言うと、弟が感激を…

「新潮」1月号の対談ふたつ

いろんな二月号がぱっとしないので、積んだままの一月号をゆっくり読める。話題になった「新潮」の対談二つを。ひとつは大江健三郎と古井由吉。反戦反核の作家と内向の世代が語り合う、というのは私には違和感があったけど、古井の対談集を探したら前にもあ…

十年前の「群像」1月号を読んだ。

李恢成「地上生活者」の連載第一回が載っていた。三浦雅士「青春の終焉」も連載第一回だ。さて、十年後の「群像」一月号と比べよう。「地上生活者」はまだ連載中である。書き続けた人よりも、読み続けた人を誉めたたえたい。いればの話だが。そして、三浦は…